タイバンコクへの旅立ちの日を迎えた。
20キロ目一杯詰め込んだキャリーケースとバックパックを背負い南海難波駅、午後5時半発のラピートに乗り込む。
記念すべき船出がターミナル2というのは些か寂しい気もするがこれが自分らしいという気もする。
定刻19時50分バンコクスワンナプーム国際空港を目指し飛び立つ。
6時間のフライトは長いと思って事前に小説本や音楽などを準備していたのだが、結局ほとんど使わなかった。
気がついたら頭の中で振り返っていた今までの人生の道のりを。
会社員時代最終盤の辛い時間、やる気に満ちていた30代、期待に胸を躍らせた入社日、学生時代の頃の淡い思い出。
まだ死ぬつもりはないのだけれどなんだか走馬灯のように自然と思い返していた。
『大阪とタイの2拠点生活を始める』と子どもの頃の自分に教えることが出来たならどんなに驚くだろう。
そんなことを考えていたらあっという間に彼の地へ。
会社を退職して2年の歳月が過ぎた。
長かった。
ようやくここまで辿り着いたのだ。
タイでの生活がもうすぐ始まる。