念願叶ってのタイ生活が始まろうとしていた。
前日は深夜のバンコク入りだった為、その日だけは宿を取ったので物件に赴くのは今日が初日となる。
先月タイへ来た折に部屋を押さえていることになってるはずなのだが、その時の契約といえば部屋を見せてもらいパスポートと保証金の一部だけ払って終了という、無職で日本の部屋探しで疲弊した身としては拍子抜けするほど容易なものであった。
本当にこれでちゃんと部屋は押さえられているのだろうか。
実際行ってみたら『あなたの部屋は空いてません』と言われたらどうしようという不安が過ぎる。
大荷物を抱えて新居に向かった。
到着して驚いたのが先月部屋を仮押さえした時と違うスタッフが出て来たことだった。
かなり戸惑ったが話はちゃんと通っているようで本契約書にサインをして無事に部屋を借りることが出来た。
噂には聞いていたがタイで部屋を借りるのに必要なものはパスポートと賃料2ヶ月分の保証金のみ。その保証金も退去時に大きな問題がなければ大部分は戻ってくるという。
あまりにも簡単すぎる。日本もこうだったら良いのに。
2人のスタッフと部屋に入る。
一見それなりに綺麗に掃除してあるように見えたがよく見ると多少の埃などがあるのを気にしたのか面倒見の良さそうなタイ人のおばさんスタッフが『私がもう一度掃除するので1時間後に来て下さい』という。
ちょうどお昼時でもあったので小一時間ほど昼飯を食したのち再び戻ってきた。
おばさんが仕上げてくれたからなのか先ほどより綺麗に見える。
これが6500バーツか。。。
日本円にしてわずか2.6万円の部屋での新生活が始まった。
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