FIREでタイ移住

2021年5月長年勤めた会社を40代でアーリーリタイアして大阪移住。大阪とタイの2拠点生活目指してます。

旅の偶然の出会いが与える彩りと警戒心で得るもの失うもの

 



一人の勇気と好奇心溢れる若者が日本を飛び出した。

ゆうすけ君

僕が大阪に引っ越してきて間もない頃に彼から『話が聞きたい』とDMが来て会って以来の付き合いである。

その後、数ヶ月に一度くらいのペースでお茶をしていたのだが海外旅行にも興味があるようで、航空券の探し方であったり、宿の探し方であったりを伝えている内に、折りからの海外各国の入国規制緩和も進み実際に今秋、旅立つ流れとなった。

当時はまだ関空バンコク間の直行便LCCが無かった時期なのでベトジェットで、関空⇨ホーチミン⇨バンコクというチケットが片道1.9万ほどで売られていた。

当初はホーチミンですぐにバンコク行きの便に乗り継ぐ方向で検討していたのだが、せっかくホーチミンに行くのだからストップオーバーしてホーチミンで数日過ごすのも悪くないと思いそのルートを勧めた。

これは彼には伝えてないのだけれど、僕なりの配慮というか考えがあって、いきなりタイという海外初心者に優しい国に行く前に、色んな意味で少しハードなベトナムを体験することで精神的にタフになって欲しいという考えがあった。

彼がその僕の期待に応えてくれた訳ではないのだろうけれど、ホーチミン1週間滞在中にぼりにぼられるというベトナムの洗礼を受けることとなった。

彼が現地で多少ぼられる事は想定していたのだけれど小額であればそれは良い勉強代になるだろう。けれど聞けば僕の想定を遥かに超える額でもあったので、このルートを勧めた責任も感じていたし何より心配だったので、パタヤからバスに飛び乗りバンコクスワンナプーム空港へ向かい彼のタイ到着を待つことにした。

1週間ベトナムで揉まれて逞しくなった彼と空港で合流する。

市内に移動し持ち金の全てをタイバーツに換金する。その金額は日本円で7万ほど。これから約40日間タイ旅を続けるには心もとない金額ではある。

節約家の彼のことだから使い方次第では何とかギリギリ持つかもしれないが、その旅は金銭的な制約を大きく受ける。食べ物も最安のものを選び、少し値が張る観光地や食べ物や経験にも挑戦出来ないだろう。

何よりベトナムのように、あと一度でもタイでぼられたら恐らく旅の資金はショートする。積んでしまうのである。

なので合流した後は彼に出来る限りのことを伝えた。公共交通機関の乗り方であったり、安い飯屋の探し方であったり、レートの良い換金所、安いSIMカードの買い方。それとナイトライフ。ぼられるとしたらバーであったりが一番ありがちなので、一度一緒に行けばまあ大丈夫だろう。

そう思いいざ2人でバーへ向かおうとしたその時、いきなり知らない人から日本語で話しかけられた。

『あの、私、中国人なのですが、初めてタイに来てバーに入ったことないので、不安なので一緒に入ってもらえませんか?』

日本語で話しかけられたゆうすけ君は、タイ初日の昂揚感と異国で日本語で話しかけられた嬉しさからだと思うが、すっかり乗り気で一緒にバーへ飛んで行ってしまいそうな勢いである。

かたや僕の方はというと警戒心マックスである。

初めてタイに来たと言うにはアンバランスな妙にラフな服装で右手からはどこで買ったのか屋台飯をビニール袋をぶら下げている。

どう見ても不自然にしか見えないのである。

僕の目からは『このまま知らないバーに誘導されてボラれる未来』が見え隠れしたので『もう訳ないが一緒に行く事は出来ない』と申し出を断るとその自称中国人はそそくさとその場を後にした。

この時の僕の判断は正しかったとは思う。

けれど。。。

僕も旅を重ねるうちに随分と人を疑うようになったものだなとも思った。

それはゆうすけ君がベトナムやタイの旅の途中で出会った人と一緒に遊びに行ったりする話を聞いている時に、そういえば僕もタイ旅を始めた初期の頃はよく旅の途中で出会った日本人や現地のタイ人とよく飯を食べに行ったり遊びに行ったりしていたことを思い出した。そして最近そういう機会がめっきり減っていることにも気付かされた。

タイ旅初期の頃に比べればタイ語も当時よりは分かる様になっているし、タイにも慣れて戸惑う事はほとんどなくなった。

そしてサラリーマン時代よりもずっと長い期間タイに居れる様になったにも関わらず他人との出会いが激減していることに自分自身驚いてしまった。

それはタイに慣れすぎて行動範囲が凄く狭くなっていることであったり、何よりブログのアクセス数が増えるにつれ、資産が増えるにつれ、見ず知らずの他人を警戒するようになってしまったからだろう。

出会いのチャンスはあったはずなのに、面倒な出会いになることを恐れ自らそれに蓋をしてしまっている。

この見ず知らずの他人との出会いの警戒心をどの辺に引くのかは凄く難しい。

あまりハードルを下げると面倒な出会いが増えたりトラブルの引き金になり得るが、あまり警戒心を上げすぎるのも出会いの機会を失わせ旅の魅力を下げることになる。

他人を疑わないピュアなゆうすけ君の姿を見て少し心配にもなった。

けれど僕が失ってしまった心を持っている彼の姿は眩しく見えた。