イタリア旅行7日目。
無事ローマにもどって来た。
遂にイタリア最後の夜になってしまった。
軽く近くのバールでパンとコーヒーで済ませても良かったが、最後だしせっかくなのでもう一度パスタを食べておきたかった。
ホテル近くのレストランを覗くと「カルボナーラ10ユーロ」と書いてあった。
最後の晩餐はカルボナーラと水に決めた。
ローマは観光地価格なのか、レストランでジュース類と注文すると大体どれも500円前後、予算にも限りがある旅なので飲み物は水を注文することが多かった。
イタリアに着いて初めて入ったレストランで「水」を注文したら、1リットルサイズの水が出て来て絶句。
なにしろメニューには「アックアミネラーレ(水)」としか書かれておらず、サイズ表記なぞないのだ。
注文を済ませ、いつもの飲み切れないサイズの水を飲みながらカルボナーラの到着を待っていると、私の隣の席に欧米系の青年が座った。
彼は私に軽く挨拶をし、ウェイターに注文した。
「アックアミネラーレ、クオーター」
すると。
250ml位のちょうど良い大きさの水が登場するではないか。
ちょっと、イタリア人の皆さん、あるんだったら言っといて。
俺明日帰国なんだけど!
どこから来たの?
彼が私に話しかけて来た。
隣に座った欧米系の彼は、オランダ人で仕事の休暇を利用して、スペインを巡りイタリアを周遊した後、東南アジアへ向かうと言う。
ハンチング
休みはどれくらい?
彼
5週間。
5週間。。。
彼が言うには年に2回ほど5週間の休みが取れるようで、バカンスを兼ねて旅に出かけるらしい。
「私の会社は一週間位しか休みが取れないんだ」
私がそう言うと、彼は眉間にしわを寄せ、それはおかしい、どうかしてる、仕事だけじゃなくもっと人生楽しんだほうがいい、と真剣な眼差しで語ってくれた。
会計を済ませ、店を出る時、彼が手を振って、私に向かって別れの挨拶を叫んだ。
チェンジカンパニー!!!
私よりも間違いなく、人生を楽しんでる彼が眩しかった。