イタリア旅行7日目。
ポンペイ遺跡を後にしてポンペイ駅に着いた。
ホームで電車を待つ。
隣でイタリア人の4人家族がホールサイズのピザを分け合ってほおばっていた。
日本ではお目にかかれない光景だな。なんて思いながらそれを眺めていた。
電車に乗る。
行きのローカル線はあれだけ気を張ってたのに、帰りはホッとしたのだろうか。
まるで気が抜けたように心穏やかにナポリへ戻って来た。
ローカル線は地中海の海岸沿いをゆったり走り40分ほどでナポリ中央駅に到着した。
切符を駅員に手渡し、立ち去ろうとしたその時、呼び止められた。
駅員
お前、ちょっと待て。
ハンチング
えっ?
駅員
切符に刻印されてないぞ。
実はイタリアの駅は、日本の駅と大きな違いがある。
イタリアの駅には改札が無いのだ。
では、どうするのか?
と言うと、電車に乗る前に切符を買い「自分で刻印する」そして電車に乗り、降りた駅でその切符を駅員に手渡す。
ここで私は重大なミスをしたことに気づいた。
ポンペイの駅で刻印し忘れたのだ。
この場合、罰金を取られることになる。
やってしまった。
行きのドタバタで疲弊してしまい、帰りはすっかり油断してしまった。
どうしよう。
駅員が凄い形相で私を見つめている。。
駅員
どこから乗ったんだ?
ハンチング
ポンペイです。。。
消え入りそうな小さな声で答えた。
沈黙が流れる。
駅員
行っていいぞ。
彼はポンっと私の肩を叩いて不問にしてくれた。
助かった。。。
ローカル線を抜け、ナポリ発ローマ行きのユーロスターの切符を買おうと自動券売機へ向かう。
自動券売機の前には怪しげな人達がたむろしてて「操作教えてやるよ」などと善意なのか騙すつもりなのか分からない人達に話しかけられた。
刺激しないようにお断りして切符を買いユーロスターに乗車。
こうして無事、数々のトラップをかいくぐり(若干落っこちた気もするが)なんとかローマのホテルに到着したのだった。
つづく。