バンコクでの部屋探し。
1件目は小洒落た門構えの物件。築年数は見た目からの判断になるが15年前後だろうか。新しいとまでは行かぬがそれほど古さを感じない。
家賃7000バーツ(28000円)、1年契約。
部屋に入った瞬間の第一印象としてはその室内の広さに目がゆく。
部屋の中央に大きなダブルベッドを据えられているが、それでもまだ余裕がある。
バルコニーもかなり広くテーブルと椅子を置けるほどのスペースを有している。見晴らしもいい。
ただ、、、
これだけ部屋が広いというのにトイレが異常に狭い。
畳1畳ほどの空間に便器とシャワーがぶら下がっているのである。
これではシャワーを浴びる度にトイレがびしょ濡れになってしまう。
どうですか?
という愛想の良いオフィスのおばさんの問いに『他の物件も見てみます』と曖昧な回答を残して次の物件へ向かった。
2件目。
どこへ行くのか分からぬまま友人達の後を追いかける。
驚いたのはそこがコンドミニアムでもアパートでもなくホテルだったことだ。
家賃は部屋のグレードにより7000から10000バーツ(28000円から40000円)
しかも契約は1ヶ月更新となっていて気が変わったら翌月にでも出て行けるという。
その気軽さは魅力的でもあり、これは俄かに期待が高まる。
バンコクでホテル暮らしか。。悪くないな。
初めに案内された部屋は8500バーツの部屋。
部屋の広さは最初の物件ほどではないが許容範囲内。
だたなんだか部屋の雰囲気が暗い気がする。
バルコニーには鳥の侵入を防ぐネットが張られていて簡易キッチンも置かれていた。
そのバルコニーに一歩足を踏み入れた瞬間『うわっ』と声をあげ尻もちを着きそうになった。
丸々と太った鳩が一羽キッチンの中で死んでいるのである。
その後も9000バーツ、7000バーツと都合3部屋見せてもらったのだが、最初の衝撃が強すぎて意気消沈してしまい『大丈夫?』といった雰囲気で友人が心配そうに目配せしているのを感じた。
『一寸ここは無理そうです。。』消え入りそうな声を絞り出しホテル暮らしを断念。
いよいよ本命の物件へ向かうこととなった。