皆様、こんにちは。
ハンチングで御座います。
決断。
タイ移住。
しばらく見送ります。
2021年5月に長年勤めた会社を退職しFIREを達成。
本来であれば、その後はすぐにタイと日本のデュアルライフ。
つまり2拠点生活へと向かうはずだったのだがコロナでそれも叶わず。
ならばコロナ明けの世界を見込んで、タイと日本を行ったり来たりする生活を思い描いて、日本の拠点を関西国際空港へほど近い大阪の泉佐野市への構えようと部屋を探しに行った顛末はこのブログで書いた通りだ。
無職に部屋を貸すことは出来ませんと言われた - FIREでタイ移住
そして、流れ流され辿り着いたのが今も居を構える日本一家賃が安い街。
大分県杵築市である。
無職は部屋を借りれるのか?FIRE大分県杵築移住を目指す旅路その1~タイと日本のデュアルライフ~ - FIREでタイ移住
杵築市へ越して来たのは、大阪で部屋を借りれぬ憂き目にあって已むに已まれずやってきたというわけではない。
これもタイと日本のデュアルライフを見据えての引っ越しであった。
デュアルライフを実行するにあたり、日本の家賃を抑えてることでタイでの生活をより豊かなものにしたいという算段もあった。
それと日本とタイのワクチン接種率が7割を超えれば、日本とタイの行き来もコロナ以前に戻るだろうという考えもあった。
大阪の泉佐野市を目指したのも、大分県杵築市を目指したのも、目的はただひとつ。
タイと日本のデュアルライフを実現させる為である。
2021年11月。
ようやくタイ入国時のホテル強制隔離が解除された。
依然として日本帰国時の自主隔離は残ってはいたのだけれど、僕は思い切ってタイ行きの航空券を購入し1年10ヶ月ぶりのタイ旅へ向かった。
サラリーマン時代には不可能であった1ヶ月の旅である。
タイへ到着した時の気持ちが弾むような嬉しさは忘れられない。
まるで初めてタイへ来た時と同じ。
いや、それ以上の感動があった。
タイ旅2021秋その1 ハンチング遂に隔離ホテルから出所する - YouTube
なのに何故タイ移住をしばらく見送る決断をしたのか。
理由はいくつかある。
まず大きな理由として「マスク罰金制度と国民同士の相互監視の目」である。
コロナ禍以降、タイで新たなルールが出来た。
それは「マスクをしないと最大2万バーツ(約7万円)の罰金を科す」というものである。
このルール自体は訪タイ前から分かっていたことでもある。
そしてマスク不要論者でもない僕は、タイのルールに従ってマスクをして過ごすつもりでいた。
寝耳に水というか想定外だったのは罰金制度とは別に「タイ国民の間で、他人がちゃんとマスクをしているか?ルールを守っているのか?という、なんとも息苦しい相互監視社会が形成されていた」ことには戸惑った。
こんなことがあった。
歩き疲れて路上カフェ屋台で冷たいタイティーを注文し椅子に腰かけて一旦マスクを外して休んでいた。
もちろん飲食の時はマスクを外さないと食べれないのでこの瞬間に罰金を取られるというのはない。
タイティーを飲みながら小休止していると、僕の目の前に可愛らしい野良猫が現れた。
僕はその猫に気を取られて椅子から3メートルほど離れて猫を撫でていたら、近くにいたタイ人のおばさんから「マスクちゃんとして」と注意された。
またこんなこともあった。
パタヤの中心地にセンタンという大きなショッピングモールがある。
建物に入る時は、スタッフが入口に立っていてマスクをちゃんとしてるかの確認と検温がある。
もちろんちゃんとマスクをして検温もして入店したわけだけど、ショッピングモールを出る時のこと。
僕はショッピングモールの出口を完全に出た後に、息苦しさで、一瞬、マスクをズラして鼻の頭を出した。
その時に「マスクちゃんと鼻まで隠して」とショッピングモールのスタッフから注意された。
入店時に注意されるのは分かるが、まさか建物を完全に後にし、外に出たタイミングで言われたのには驚いた。
パタヤビーチの看板。
検温システムはショッピングモールやコンビニだけではなく、入り口を制限する形で公園、さらにはローカル市場にまで設置されていた。
セブンイレブンへ入店時、うっかり検温をスルーして入店した時も「ミスター、ミスター」と呼び止められ検温を促されたりもした。
3点ほど実例をあげたわけだけど、そのどれもが日本の自粛警察のような、嫌がらせを含んだ圧力的な雰囲気を伴う注意ではないのが救いではある。
今回挙げた実例以外にも、1ヶ月の滞在期間中、気候的な暑苦しさに負けてマスクから少し鼻を出している時に数回注意されることがあった。
自分に非があると言われれば返す言葉もないのだけれど、僕が知っている「コロナ前のタイ」といえば他人に対して寛容で何かあってもマイペンライ。
それこそがタイの居心地の良さの源でもあった。
そのタイランドがコロナの影響とはいえ「他人が他人を監視する社会」という、なんとも息苦しき空気感が形成されつつあるのは辛い。
ルールに則りマスクをして過ごしていても、うっかり何度か注意をされる内に「ちょっと外したらまた注意されるかもしれない」という心理を生み出す。
その感情を常に抱えながらの生活はコロナ前のタイ旅では感じる事がなかった事で「何だか心の底からリラックス出来ない。。」という小さなストレスを旅の間ずっと感じていた。
先程、公園やコンビニ、ローカル市場に至るまで検温システムが設置されていると書いたが、それに代表されるようにタイ国内のコロナ対策は日本よりも遥かに徹底している。
例えばサッカーのスタジアムへ入る際もワクチンパスポートの提示を求められる。バンコクのカオサンでも求められると聞いたし、その内開放されるであろうパタヤのウォーキングストリートでも提示が求められる流れになるのではないだろうか。
それとタイ人は日本人に比べてコロナを物凄く怖がってる人が多いと感じた。
日本とタイのコロナ対策を比較した場合、圧倒的にタイの方が徹底している。
どちらが正しいのかは素人には判断出来かねるが、どちらが暮らしやすいかは判断できる。
罰金が無くて、余程のことが無い限り他人から注意されない日本のほうが、同じマスクをしての生活にはなるのだけれどストレスは少ない。
他にも大気汚染であったり、野良犬に襲われそうになったり、まあ色々あった旅ではあったのだけれど、タイが嫌いになったわけではないし、嫌いになれそうもない。
むしろ、更に好きになる場面だってあったほどだ。
そしてタイ移住をしばらく見送る決断をしたもうひとつの理由。
このブログではタイと日本のデュアルライフを目指していると何度も書いて来たわけだけど、その2拠点生活については今、かつてないほどの逆風が吹いていると言わざる負えない。
タイへ入国するのにも、タイランドパスの申請から始まり、コロナ保険加入、日本でPCR検査、タイ到着時PCR検査、タイ到着1週間後ATK検査、日本帰国前にタイでPCR検査、日本の到着した空港でPCR検査、そして14日間の自主隔離。
日本到着した瞬間から自主隔離が終わるその日まで公共交通機関利用不可。
費用もさることながら、その煩雑な手続き。
一番面倒なのが公共交通機関利用不可と14日間の自主隔離である。
今回は大阪に住むセミリタイア友達が有り余る暇を生かして送迎して貰えたが、早々何度もお願い出来る距離でもない。
今まさに14日間の自宅自主隔離期間中なのだけれど「毎日2回現在地報告、毎日1回健康状況報告、毎日1回のビデオ電話」これが14日間繰り返されるのは地味にストレスである。
例えるなら、どうしても欲しかった車(タイ旅)を買った時は嬉しかったが、残されたローンの支払い(隔離期間)を今払っているような感じだ。
見通しが甘かったと言われればそれまでだけど、この日本側の厳しい対応がワクチン接種率が7割を超えた2021年末時点でも行われているというのは、ちょっと読めなかった。
兎にも角にもこの状況では、2拠点生活どころか、海外旅行でさえ気軽には行けないし、また日本側の対策もしばらく長引きそうな気がしている。
ようやくしてタイへ行ってもコロナ禍以前の解放感までは得られず、そのうえ帰国後の隔離や煩雑な手続きであったり余分なコストもかかることを考えてタイ移住はしばらく見送る決断をした。
今後の状況や自身の価値観の変化があれば、移住も含めた人生自体の大幅な変更をするやもしれぬ。
別の面白そうな生き方も頭の中で渦巻いている。
だけど、仮に移住がなくなったとしても、僕はこれからもタイへは行くだろう。
記事内の動画にもあるとおりタイ独特の緩い空気感であったり、解放感であったり、そういうのはきっとコロナの終息と共に2022年以降、少しづつ戻って行くのではないだろうか。
現に今回のコロナ禍のタイ旅もすごく楽しかったのは動画やブログで発信してる通りである。
来年こそ日本とタイを自由往来出来る日が来ることを願っている。