皆様、こんにちは。
ハンチングで御座います。
先月、会社へ退職の意志を伝える直前に、母に会社を辞めてタイへ移住することを伝えた。
予想だにしなかったであろう息子からの告白にきっと驚いただろうが、その時は電話越しに認めてくれた。
心の準備も出来てないところに、いきなり息子が突拍子もないことを言い出したので、とりあえず認めざる負えなかったのかもしれない。
それから数日後。
母、そして2人の妹とこのことについて話し合ったのだろう。
「1年位したら日本に帰って来てほしい」
「なにかあったときにすぐに日本に帰ってこれないかもしれないから、国内で暮らしてほしい」
文面は穏やかでしたが、そう言われました。
言葉には書いてないのだけど、言いたいことは、長男としての責任を全うしてほしい、冠婚葬祭があれば、ハンチング家の代表として近所付き合い、親戚付き合いに参加してほしい。
ということなのだと思う。
僕は田舎に住んでいるころ、この近所付き合い、親戚付き合いがすごく苦手で苦しめられた。
父が早く亡くなったので、ハンチング家を代表して参加するのは常に長男である20代の僕だった。
特に冠婚葬祭の場に赴くと、親は知ってるだろうけど、僕から見たら、顔もあまり知らない面識のない大人たち、年齢で言うと4周りも歳が離れた人達の集団の中に、一人放り込まれ、話す相手もなく、話しかけられることも殆どなく、時に飲めないお酒まで飲ませられ、苦しい数日間を過ごす。
都会の方は知らないかもしれないけれど、田舎の葬式は数日間かけて行われるのが常で、その間、大した用事がなくても、その場に1日5,6時間居続けなければならなかった。
「ハンチング家の代表としてちゃんと参加してますよ」という事実が田舎のコニュニティーで生きてゆくには大事なのだ。
僕は、この田舎の人付き合いが濃すぎる、保守的なコニュニティーが凄く苦手で息苦しくて、逃げ出したかった。
タイ移住をすることは無責任なことなのだろうか。
10年以上もの時間をかけて、時に物欲を捨てて、節制した生活を続けて来て、地道に積立を重ね、ようやくその夢が手元まで届くところにきたというのに「1年で日本に帰ってきてほしい」と言われるのは、すごく苦しいです。
僕の人生を縛り付けてきた会社から解放され、ようやく自由になれると思っていたのだけど、今度は家族が僕を縛り付けるのだろうか。
僕のささやかな夢は。
タイの片隅で、ひっそりと、心穏やかに、のんびり暮らしたいだけなのにな。