皆様、こんにちは。
ハンチングで御座います。
ずっと、言わなければいけないと思っていたけど、中々言い出すことが出来ずに時だけが過ぎてしまった。
母へ退職するということを伝える事が出来ないまま、会社へ退職する意志を伝える日、4月23日を迎えてしまった。
仕事をアーリーリタイアしFIREでタイ移住するという生き方。
僕の中では、自分が幸せに生きるための最善の道ではあるのだけれど、世間一般的には理解しがたいであろう生き方。
この生き方を70歳の母が理解してくれるだろうか?
不安だった。
すでにFIREを達成した友人は一体、親に何て説明して新しい生活を始めたのだろう?
何人かの友人に訪ねた事もある。
「今これだけのお金を持っていて、この先の人生、簡単なバイトをする位で暮らして行ける」
と金額まではっきり告げた方。
「ある程度、お金もあるのでしばらくはのんびり暮らす」
金額も、この先の生き方も、少しだけぼかして告げた方。
どちらが正解ということはなくて、伝え方は人ぞれぞれ。
だけど共通してたことはその方の親自身が株式投資の経験があったということ。
その経験は、これから子供が歩み出そうとしているFIREという生き方を理解しやすくしてくれる。
僕の家の場合はすごく貧乏な家だったので、当然母は株式投資の経験なんてないし、FIREという新しい生き方を誤解されない様に説明するのがすごく難しい。
そのことを、FIREを達成した友人達に、相談したりもした。
「タイへ転勤したことにすれば良いのではないか」
「いっそのこと退職した事実を言わなくても良いのではないか」
確かに一理あるのだけれど、なんだか騙しているようで腑に落ちない。
そもそも、FIREを達成するということは、悪いことでもなんでもなく、ある意味ひとつの人生の成功の形だと思っている。
なのにその事実を、ひた隠しにして生きて行くということは、なんだかすごくモヤモヤする。
結局、良い答えが見つからないまま、会社へ退職を伝える日。
2021年4月23日を迎えてしまった。
さあ、課長へ退職の意志を伝えに行こう。
そう思って、課長のデスクに一歩踏み出した、その足を止めた。
会社へ辞めると伝えた後に、母に「実はもう会社を辞めると言った」というのはなんだか母に対して誠意に欠けるのではないだろうか。
会社へ伝える前に、母へ伝えたい。
オフィスを離れた。
僕は心の整理もつかないまま、おもむろに携帯を取り出し母へ連絡することにしたのだった。
つづく。