自宅を売りに出して3ヶ月目にしてようやく現れた内覧希望者。
たった1人だけの内覧希望者だ。
某大手自動車会社に旦那さんが勤務してると言うご夫婦。
このチャンスを逃したくない。
ここは東北地方の片田舎。
もし逃したら次に購入希望者が現れるのはいつになるのかと思うと恐怖で足が震えた。
ここで改めて今回売りに出してる物件をおさらいしておく。土地64坪、5LDK一戸建てを新築で購入。
現在残りの住宅ローン2300万円。
●私が購入した際の価格
土地+建物2300万円、諸費用込総額2400万円。
●売りに出してる価格
築1年半、土地+建物2600万円。
社長の青写真では2600万円で交渉をスタートし2300万円で最終的に落としたいとのこと。
つまり築1年半の中古物件を私が新築で買った時と同じ価格で売る腹積もり。
この目算通りに事が運べば私の借金は無くなる。
前回記事でも紹介した通り、このご夫婦は旦那さんは仕事が忙しいらしく家を購入すると言う人生における一大行事をほぼ奥さんに丸投げ状態と言う、私からするとにわかに信じがたいご夫婦だった。
よって価格交渉は基本的に不動産会社社長vs奥様という構図で展開される。
その交渉は数日を要した。
その間、ご夫婦のご両親も物件を内覧に来たりと奥様も身内の力を借りて一生懸命に対応されてた事が想像される。
交渉が続く数日間は私は仕事がまともに手が付かなかった。
社長には「1800万円までなら値下げに応じる」と伝えてある。
2300万円の借金がある状況でもし1800万円で売れたとしたら500万円の損失を被る事になる。
正直悔しいし情けない。
ただ今、私の手元には700万円の貯金がある。ハンチングたくま34歳。16年間コツコツ仕事を続けて来てようやく貯めた私の全財産だ。
その貯金が200万円まで減る事になる。
その事実は耐え難いが、この時の私は何よりも「借金から逃れたい」その一心だった。
その時私の携帯が鳴った。社長だった。
社長 交渉成立。売却する事が出来ました。
たくま ありがとうございます。で、いくらになりましたか?
社長 2300万円。
たくま !!!!!
社長 それと依然説明しましたが中古売買の決まりとして仲介手数料として売却価格の「3%+6万円」を仲介した私にお支払してもらいます。今回は2300万円ですので「69万円+6万円=75万円」です。
たくま 存じております。私が全額お支払します。
社長 この仲介手数料ですが、たくまさんと今回購入された方、2人で折半と言う事で話をまとめました。
たくま !!!!!
社長 明日、店舗に来れますか?双方に来ていただきそこで最終的な契約をしたい。
たくま わ、分かりました。伺います。
相手の気が変わらない内に早く、早く契約を完了させたい。
「頼む。気が変わらないでくれ!」
焦りにも似た感情を抱きつつ翌朝、私は急いで店舗へ向かった。
●資産と借金、2006年34歳
貯金 700万
借金 2300万円
次の記事>【自宅売却7】自宅を売却