落ち込んでばかりはいられない。
1年半前に総額2400万円で購入した自宅を売却する。私は自宅を購入したMハウスメーカーの担当者へ相談へ向かった。
こちらも前回の銀行員同様「うちは新築売るのが仕事で中古はちょっと、、」と困り顔で対応された。
「でも良かったら地元で中古を扱ってる不動産屋を紹介は出来ます」と言われた。
教えてもらった地元の不動産屋へ向かった。
店舗の前に到着した時、私はまたもや不安に襲われる。
あまりにもその店舗の外観が小さく見すぼらしかったからだ。
果たしてこんな所で売りに出して買い手は付くのだろうか?
不安な面持ちで店内に入ると黒縁のメガネを掛けた、いかにもインテリそうな40代半ばの社長が応対してくれた。
「話は伺ってます」ハウスメーカーから事前に話が通ってた様で事情は理解してくれていた。
どうやらこの不動産屋は社員は居ないらしく実質この社長一人で全ての業務を賄ってるらしかった。
社長の思惑
彼は単刀直入に質問してきた。
社長 借金はいくら残ってるんですか?
たくま 2300万円です。
社長 では2600万円で売りに出しましょう。
私は座ってた椅子から転げ落ちそうな程、驚愕した。
たくま 社長さん私この物件、新築で2400万円で買ったんですよ。
社長 えぇ、知ってますよ。
たくま じゃぁ何故、、、
社長 あなたは借金を帳消しにしたい。そうですよね?
たくま は、はい。ですが、、、
社長 まずは2600万円で売りに出す。買い手が現れたら「この物件本来2600万円ですが2300万円にディスカウントしますと言います」
たくま えぇ?!そんな馬鹿な。そんなにうまく行くんですか?
その質問に彼は冷徹無比に一言答えた。
「買わせればいいんですよ」
黒縁のメガネをかけたその瞳の奥に青い炎が宿っていた。
●資産と借金、2006年34歳
貯金 700万
借金 2300万
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