自宅を売却する。
築1年半しか経ってない家を売却するという重い決断を下し私は住宅ローンを借りているK銀行へ向かった。
対応してくれたのは2人の銀行員。
一人は20代後半位の物腰の柔らかい行員、そしてもう一人はその上司、銀行内でも上の地位に座ってるであろう40代半ばの強面の行員。
まずは私から家を手放したい旨を説明した。
その後、若い銀行員から現状の状況確認。
借金つまり住宅ローンが2300万円残ってる事。返済期間が26年残ってる事。ひとつひとつ物腰柔らかく説明してくれた。
その説明を神妙な面持ちで聞く私。
その間、もう一人の上司はずっと眉間にしわを寄せ不機嫌な表情をしていた。
説明が終わり少しの静寂が流れた後、上司が口を開いた。
上司 あんたこの家いくらで売れると思ってるの?1500万位にしかならないよ!家を売っても1000万位借金が残る事、分かってる?
「お前、家立ててすぐに売って1000万近く借金作ってアホじゃないの?」
そんな彼の心の声が態度に表れていた。
住宅ローンを借りる時は大事な「お客様」として懇切丁寧に接客してくれた銀行。
だが今は迷惑な客として完全に見下された対応をされている。
この時の上司の高圧的な態度は9年の歳月が流れた今でも忘れられない。
この時、私の貯金は700万円程あった。これは18歳で入社し34歳の今に至るまで17年間かけてコツコツと積み上げてきた俺の全財産だ。
それが一瞬で無くなるばかりか借金まで残るのと言う現実。
銀行員へお礼を言い、誰も待ってくれる人が居ない家へ帰ってきた。
玄関のドアを開けて広いリビングへ入ったその瞬間、屈辱と借金背負うと言う恐怖に直面し足がガクガクと震え膝から崩れ落ちた。
●資産と借金、2006年34歳
貯金 700万
借金 2300万
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